女性のQOLを考える研究会にて思ったこと

医療とセラピー(この場合のセラピーは英語のtherapyの日本語直訳の意味ではなく、日本で捉えられている概念のセラピーを指しています)の連携を目標として、今年、研究会を発足しました。


先週末、一般社団法人美人化計画主催の「女性のQOL(生活の質)を考える」研究会に参加して、改めて、その必要を感じました。

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代表であり、産婦人科クリニックさくら院長の桜井先生によると、


女性のQOLを低下させる健康問題として、排卵障害があげられます。

ひと口に排卵障害といっても、月経不順、無月経、不正出血など症状はさまざま。

月経は、排卵したことによって、不要となった子宮内膜が排出されているわけですが、自分が月経だと思っていた出血が、実は不正出血の場合もあるとのこと。(不安な方は産婦人科を受診してください!)

排卵障害の原因となる疾患の中でも難治性(医療でなかなか治すことが困難なもの)が、


・ストレス(→視床下部の血流低下)
・痩せすぎ(→生体防御反応を起こす)
・肥満(→脂肪組織からエストロゲンの過剰分泌)


ここ!!
医療ではこれらは難治性と言われること。(桜井先生)
しかし、逆に私たちには、得意とする領域ではないでしょうか。


私の目指す、「医療との連携」とは、まさにこのように、双方の得意分野、不得意分野を補うことで、全人的に、あらゆる角度から、ひとりの女性のQOLを向上していくことです。

疾患を「この精油で治す」「この手技で治す」という医療の領域に介入することではありません。



次に日本体育大学の須永美歌子教授が登壇されました。


須永先生は、月経周期が女性アスリートのパフォーマンスに与える影響について研究されている研究者で、アスリートを通して、一般女性にも十分に当てはまる貴重なデータを提供してくださいました。

月経周期によって、体重も変動する女性が多いのは、私たちセラピストは経験的に知っています。

排卵後から月経までの黄体期に体重は増加します。
実は、増加したものはすべて水分で、体脂肪の増加はないことがデータではっきりと分かりました。(須永教授)


そして、更なる研究として、月経後から排卵までの卵胞期とさきほどの黄体期で、脂肪燃焼効果がある有酸素運動(持久性運動)を相当量続けて、その血液を採取。

すると、これまでの私たちが常識と思っていたことが覆される結果が出てきました。
黄体期の方が、脂肪燃焼効果が高かったそうです!


「卵胞期には痩せやすく、黄体期には痩せにくい。ダイエットするなら月経後が最適☆」

という俗説には、驚くことに科学的な根拠はない!(須永教授)



医療と連携するためには、科学的根拠に基づいた知識が私たちにも必須です。
そして情報は日進月歩なので、日々、学んでいく姿勢が必要。


その他にも、
順天堂大学女性スポーツ研究センター長の小笠原悦子教授は、女性が男性よりも格下に扱われているスポーツ界で何十年にもわたり、地位向上にワールドワイドに尽力されている先生で、そのパッションみなぎるお話に感動しました。


広尾レディースクリニックの宗田聡先生の、女性アスリートとメンタルケアのお話は、さすが!としか言えない話術で、あっという間に終わってしまい、2次会でもお話がつきませんでした。
今度、ぜひ宗田先生の別の講座にも参加したいと思いました。

お二方とも、拝聴することができて、とてもうれしかったです。


そして、最近メディアで取り上げられている、女性用ふんどし「しゃれふん」の中川社長と、休憩時間にコーヒー片手に雑談をしていたら、ふんどしを2つもいただいてしまいました。(紐パン型なので抵抗がないですよ!)
たしかに、せめて夜寝る時ぐらいは、鼠蹊部の圧迫がない方がよいですね!



さて、国際メディカルセラピー研究会も、次回のセミナーのためにそろそろと動き出します。
一緒に学んでいきましょう!


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第1回研究発表会(4) 【 国際メディカルセラピー研究会 】

第1回研究発表会 (2) はこちら。

休憩を挟んで、いよいよ最後のトークセッションです。

「ズバリ、医師に聞く!これって本当?ちまたにあふれる、あれこれ」

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私たちセラピストの間に、あふれる雑多な情報。

それには、科学的根拠はあるのか、医師の知見ではどうなのか、
皆さんから、どんどんと質問をいただいて考えていく、参加型のトークセッションとしました。

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いただいた質問は、

● 通院中の方や妊娠中の方のトリートメントの際の、「医師の許可」について、許可を出す側の医師の立場としての見解

● 紙ナプキンを使用することによる経皮毒

● シャンプーによる化学物質が、子宮や羊水に溜まるので、オーガニック製品を使う方がよいのか

● 経血コントロールによるメリットとデメリット

● エステによる脂肪揉み解しと言われる機械(キャビテーションやエンダモロジーなど)は、産後授乳中の方に使用すると、母乳に悪影響を及ぼすのか

● 妊娠中の方、不妊治療中の方などに対する、電磁波(スマホ、電子レンジ、パソコンなど)はどの程度影響するのか

● 骨盤調整は、産後いつやるのが、効果的か

● 骨盤ベルト、腹帯などの是非

● 産婦人科でセラピストとして働くにはどうすればよいか

その他にもたくさん、
多岐にわたる質問を、かなりざっくばらんにお答えしていただくことができました。

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また、セラピストやエステティシャン以外にも、理学療法士や運動系のボディーワーカーなど、様々な業種の方がご参加していただいていたので、それぞれの立場からも意見を伺うことができました。

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先生方から、逆に私たちに「なぜそう思うのか」と疑問を投げかけられたり、かなり本音トークが伺えたと思います。

電磁波に関しては、私の方で事前に、九州大学で教授職に就く電気電子工学が専門の夫に資料作成を依頼して、その情報も皆さんとシェアしました。

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これで、第1回研究発表会は閉会となりました。
ご参加いただいた国際メディカルセラピー研究会会員の皆さま、ありがとうございました。

皆さまからの「参加してよかったー」というお声のフィードバックをいただき、正直かなりホッとしています。


今回の研究発表会のための、打ち合わせを始めたのが、昨年の12月。

まずは何よりも、私たちセラピストの目線に合わせてご教授いただいた、桜井先生、松永先生には深く感謝しています。

普通に考えたら、ドクターがここまでのお話におつき合いいただけない!!

そして、美人化計画事務局長の香月さんとは、二人で何度もミーティングを重ねて、よりよい会になるように、あーだこーだとやってきました。香月さんなくては、きっとできなかったと思います。

また、来年の開催を誓って。

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第1回研究発表会(3) 【 国際メディカルセラピー研究会 】

第1回研究発表会 (2) はこちら。

昼食後は、

「クライアントに多い子宮の病気を正しく理解する 子宮内膜症・子宮筋腫」

の演題で、桜井先生と松永恒伊先生(東京ミッドタウンクリニック婦人科)に登壇いただきました。


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●子宮内膜症
●子宮筋腫

いずれもよく耳にする病名です。

子宮内膜症は月経が活発に起こる25−44歳女性の10−15%(参考)、子宮筋腫は30歳以降の女性で20−30%に認められる(参考)とのこと。



私が先生方にこの疾患について教えていただきたいと思ったきっかけは、アロマセラピストらの間で、まったくの正反対な考えをしていることが見受けられたからです。

(A) エストロゲンに起因する疾患なので、「ホルモン様作用のある精油は禁忌」
(B) ホルモンバランスの乱れを改善するために、「積極的にホルモン様作用のある精油を使用するべき」

という考え。

ただどちらも、「エストロゲン」という原因の一部だけを切り取って、全体(原因、病態、症状、治療法、問題点など)からの理解に乏しい感がありました。

そこで、私たちセラピストは正しく理解した上で、クライアントに接していかなければいけないと思い、今回、先生方にお願いをしました。



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まずは、桜井先生による「子宮内膜症」に関する講義。

子宮内膜症は、そもそも子宮内膜にできる病変ではなく、それ以外(卵巣、胸膜、臍部、膣部など)に内膜病変が存在してしまう病気です。

原因としては、エストロゲン刺激によりますが、詳細は未だ不明な場合もあるそうです。
月経痛や不妊、慢性骨盤痛などにも関わってきます。また、一部がん化もあるとのこと。


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その他、治療法や問題点、またチョコレート嚢胞に関してはさらに深く掘り下げてお話を伺うことができました。



続いて、子宮筋腫について。
午前中の診療後に駆けつけていただいた、松永先生からの講義です。

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子宮筋腫には、3つの筋腫があり、原因としては子宮内膜症同様、エストロゲン刺激によって発生しますが、詳細は不明とのこと。

症状としては、月経過多、貧血、不妊、腫瘤感、疼痛など、女性であればその不快さは想像しえるものです。

進行すると内膜症のようにがん化するのか、治療法、再発、避妊期間、分娩方法など、様々な問題点や、MRI画像など、普段見ることのできない資料も見せていただきました。


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木を見て森を見ず。
病気の一部だけをみて、本質を見逃してしまうと、それは対処療法であり、本来私たちが追求するべきケアではなくなってしまいます。

お二人の先生からのお話は、日々の診療から得られた、とても深いお話でした。


ちょっと余談ですが・・

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松永先生は、ご覧の通り、おしとやかでかわいらしい美貌の持ち主。

ところが、お話していると、超サバサバしたかなりの男前な先生なのです!
今回、皆さんに伝わりましたでしょうか。


続いて、最後のセッション。

第1回研究発表会(2) 【 国際メディカルセラピー研究会 】

第1回研究発表会 (1) はこちら。

次は、お二人の会員による事例発表です。
お二人とも、当スクールを受講していただいたセラピストで、現在は医療機関と連携をしながら、活躍されています。


まず、一人目。
梶浦幸代さん(株式会社マール代表取締役 ホームページ

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梶浦さんは、5年ほど前に、前職で講座を受講していただいて以来のよいお付き合いです。

香川県で、一個人のセラピストだった梶浦さん。
産婦人科で産後の方のトリートメントを始めるようになったことがきっかけで、妊産婦ケアを行うようになり、その後、会社を立ち上げて、香川初の「保育士の常駐するリラクゼーションサロン」として、地元メディアでも取り上げられ、国の助成金を得ることも得ることも達成したという、まさにサクセスストーリー。

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そこには、梶浦さんの類まれな行動力、洞察力、先見の明、そしてたくさんの努力がありました。
個人で活動しているセラピストの方々には、よいヒントと刺激がたくさん散りばめられた事例発表となりました。



そして、お二人目。
高野裕子さん(アロマ&ヨガサロン ジュノー主宰 ホームページ

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高野さんも2年前からの以来のご縁です。

高野さんは、アロマセラピストであり、ヨガインストラクターでもあります。
とくに、今回は、総合病院の精神科病棟における女性入院患者の方へのヨガセラピーについて、発表していただきました。

発表にあたり、病院側からも写真提供などのご協力をいただき、なかなか理解しづらい精神科病棟の中の様子も、とてもよく伝わりました。
高野さんやお仲間の方々が、いかにして患者様に興味を持っていただき、そして効果的なヨガにするべく試行錯誤されてきたか、ひしひしと感じることができました。

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ヨガと一緒にやっている呼吸法。
高野さんの指導で、皆で体験してみました。

お二人のとても興味深い事例発表は、参加いただいた方々からも好評でした。



ここで一旦、昼食休憩。

お昼は、HAL YAMASHITAのお弁当を注文。
美味しかったです。

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午後は、

プロフィール

マタニティセラピストスクール

原田 香

Author:原田 香
イギリスにてITECの国際資格を取得。さらに知識を深めるために、St. Mary's University(ロンドン) などで補完代替療法を2年に渡り学びました。

イギリスと日本のサロン・スパ、そして産婦人科・緩和病院などの医療機関で臨床を積み重ね、病院内のメディカルサロンの立ち上げ、外資系ホテルスパや自然派コスメブランドでのマタニティトリートメント導入にも携わっています。

これまで300名を超えるセラピストの方にマタニティトリートメントをお教えしてきました。リスクマネジメントを重んじ、安全を最優先にした、効果的なケアをお伝えしています。受講後に、産婦人科で活躍する方や妊産婦向けのサロンを営む方もたくさんいます。

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