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授乳中、フェンネルのハーブティは母乳によいのか、赤ちゃんに悪いのか

受講生の方からのご質問で、


「出産プレゼントで、フェンネル(シード)を含むブレンドハーブティをあげました。お店の方から、『フェンネルは、昔から母乳を促す作用があると言われている』と勧められたのですが、念のために調べたところ、国立健康・栄養研究所のHPには『フェンネルは、授乳中の摂取は危険性が示唆されている』とありました。いったいどちらが正しいのでしょうか?」

とありました。


結論から言えば、「どちらもその通り」です。
フェンネルは、母乳促進をうたっている市販のハーブティブレンドの多くに含まれているように、ヨーロッパでは昔から「母乳ためのハーブ」と言われてきました。

しかし同時に、相反するデータもある、ちょっとやっかいな代物。(ロンドンではマーケットでよく売っています、写真には写っていないけど。。)
IMG_1225 (1) 
まず、前述の国立健康・栄養研究所とは、
健康と栄養に関する研究、情報の提供と推進を行っている独立行政法人。→国立健康・栄養研究所ホームページ


その中の「健康食品の素材情報データベース」の中で、フェンネル(和名:ウイキョウ)の安全性が取り上げられています。

PubMedへのリンク先から、被害事例をシェアします。要約すると、
生後15日と20日の2人の新生児が、体重が増えずに入院。検査の結果、低血圧、昏睡、嘔吐、泣き声がか弱い、吸い込みが弱いなどの中枢神経系の症状があった。どちらの母親も、フェンネル、アニス、リコリスなどを含むハーブティを1日2リットル以上飲用。哺乳を休止した後、24−36時間で症状は改善し、ハーブティを止めた母親が哺乳を再開しても良好な状態が続いた。研究者らはフェンネルとアニスに含有されるアネトールが起因する神経毒性と指摘。ただし母乳中のアネトール濃度は測定されていない。(Rosti L,ら  Acta Paediatr. 1994;83:683)

Toxic effects of a herbal tea mixture in two newborns (PMID:7919774)


フェンネル含有のハーブティを、毎日2リットル飲んでいた授乳中のお母さんの子が具合が悪くなったけれど、ハーブティやめたら元気に戻りましたよ、という2例のレポートから、危険性を示唆しています。


逆に有効性については、

ヒトでの有効性についての信頼できる十分なデータはない

とあります。つまり効果ない、と。



そこで、信頼できるデータは本当にないのか、もうちょっと調べてみました。


やはり、エビデンスレベルとしては、研究報告、症例報告レベルのものしか見つかりませんでしたが(そもそも、それ以上のものはないでしょうね...)、いくつか挙げてみると、


[グループ1] フェンネルを含むハーブティブレンド、[グループ2] リンゴの紅茶、[グループ3] なし、の3グループ、各22人の母親。[グループ1] が産後3日目の搾乳量が多く、子供の体重減少も有意に少なかった。出生後早期の体重増加にハーブティブレンドは有効。ただし長期間のアウトカムデータ収集はなく、フェンネルに起因するかは不明。(J Altern Complement Med. 2011 Feb;17(2):139-42. )

The effect of galactagogue herbal tea on breast milk production and short-term catch-up of birth weight in the first week of life(PMID:21261516)


[グループ1] フェンネルを含むハーブティブレンド、[グループ2] 紅茶、の2グループは、それぞれ1日3回摂取。4週間後、[グループ1]の方が、授乳頻度、排便排尿の回数、体重増加、頭囲がわずかに増加。身長の増加には変化なし。(Shiraz E Med J. 2014)

The Effect of Herbal Tea Containing Fennel Seed on Breast Milk Sufficiency Signs and Growth Parameters of Iranian Infants


また、安全性に関しては、フェンネル含有のハーブティ950ml飲用後、母乳成分にアネトールを含むテルペン類の増加は見られなかった、という報告もありました。(Melanie Y. Denzerら 2014)

Are Odorant Constituents of Herbal Tea Transferred into Human Milk?

 


ただし、同一国(イラン)の論文が多くて、その時点でバイアスがかかっている可能性もあり、だんだん私がラビリンスに入り込んでしまいました。笑



こうなったら、いっそ経験に基づいたご意見も伺ってみようと、助産師Kさんに尋ねました。


産後ママのおっぱい触って50年(推定)、母乳担当の大ベテラン助産師さんで、なによりKさんの素晴らしいところは、「キャベツの葉でうつ乳は冷やしましょうね」的な、非科学的なことは言わない。



私「ハーブティで、おっぱい出るようになると思いますか?」


Kさん「否定はできないわね。」ちょっとニヤリ。


「ハーブティを飲むようなママは、頭の中が『おっぱいおっぱい....』と追い詰めれれているから飲むわけで、それでリラックスして出るようになるかもね。でもハーブティ飲んで終わりじゃだめよ。赤ちゃんに吸ってもらえるように、抱き方とかタイミングを工夫することが大事!」


私は、普段はブログのタイトル通り、エビデンスを重要視するように心がけているアロマセラピストですが、この件に関しては、Kさんのこの一言が、どんな論文よりも腑に落ちました。笑



【授乳中、フェンネルを含むハーブティは飲んで良いのか、飲んではいけないのか。】


私の結論としては、


1日に2リットルを毎日飲むのは、明らかに過剰摂取だが、Shirazらの報告にあるように、カップ3杯を飲むことは、母親に鎮静効果(リラックス効果)をもたらし、催乳作用ももたらす『かもしれない』。(要は精油にしてもハーブにしても、摂取量に注意する!←これ最重要)

あとは授乳四十八手を笑いながら参考にしたり、ラ・レーチェ・リーグなど信頼のできるサイトで情報収集する。


こんな感じです。(あくまでも私個人の意見です)


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産後の「首こり」には注意

産後、授乳や沐浴などによって、うつむいて肩が前に出る姿勢をとることがよくあるので、「首がこる」と訴えるクライアントはとても多いです。

特に、下の黒丸の(後、中、前)斜角筋が硬くなってしまっているケース。

頸部のトリートメントのとき、左右に側屈・回旋しておこなうと、乳突筋の後ろに細くパラパラとした硬い腱のように感じる筋肉に触れたことがある方も多いと思います。
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そのまま過度な緊張が続くと、血管や腕神経叢を圧迫して、手のしびれや痛みを誘発する胸郭出口症候群の原因にもなります。

だからと言って、この筋肉をがっつりと強圧でトリートメントすることはNG!
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クライアントも非常に不快に感じますし、腕神経叢や血管はこれだけすぐ側を走行しています。


代わりにこの2つの筋肉にアプローチをしてみてください。

1つ目は小円筋。
肩甲骨外側縁から上腕骨大結節まで、腋窩の極あたりにあります。これも強擦では痛みを感じるので、丁寧にペトリサージュをします。ただし、授乳中は腋窩を押圧することは避けます。
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2つ目は、小胸筋。
ここも過緊張が続くと、手の痺れの原因になることもあるので、デコルテの施術の際に、ナックリングなどで緩めていきます。
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斜角筋は、腰痛にも呼吸にも関与する、小さいけれど重要な筋肉です。

※腕の痺れや痛みがある場合は、必ず医療機関への受診を勧めてください。

産後の体と心に、1/f ゆらぎ

あっという間に6月も終盤で、1年も半分経過したことになるのですね!
6月は、スクールの講座に加えて、外部でのセミナーもあり、私自身も勉強することが多い月でした。

まず、6月の産後アロマトリートメント講座。
東京、神奈川、埼玉、三重、大阪から、鍼灸師さんがお二人に、産婦人科で働くセラピストさんもいらっしゃいました。

IMG_1083.jpg ※写真は着衣ですが、実際はオイルトリートメントです。


産後トリートメントのイントロダクションに、ロッキングを入れています。

骨盤周りを中心に、ゆらゆらと揺らしていく手技です。
こわばった筋肉の緊張を緩めたり、眠くなるような心地よさ(電車でガタゴトゆられる感覚)を与えたり、産後の張り詰めた心と体にはとても有効です。


ポイントは、
クライアントの無意識下で、揺れていること。
リズムは1/fの波がよいです。(自然とそうなります)

過緊張気味な心と体を解放していただくことで、次のオイルトリートメントがいっそう受け入れやすくなっているはずです。



安全に深部にある筋肉も緩める

先週、4月の産後アロマトリートメント講座をおこないました。
日本各地からセラピストの方々がお集まりいただき、とても良い時間が共有できたと感じています。

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この講座は、まずはそのクライアントの姿勢や動作から、骨盤の状態を想定して、緩めていく筋肉を考えることから始めます。

ただ、緩めると言っても、臀筋のようにオイルトリートメントで緩めやすい筋肉ばかりではなく、例えば、大腰筋のように腹部の深部にある筋肉もあります。

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熟練したセラピストであれば、腹部からぐいっと触れていくこともできますが、私の講座では様々な理由から、それはおこなっていません。(一番は、安全面から!)


大腰筋はDFL(Deep Front Line)と呼ばれる筋膜で、下腿部にある後脛骨筋と繋がっています。この二つの筋肉はとても密接した関係があり、大腰筋が硬くなると、後脛骨筋も硬くなり、逆に後脛骨筋が緩めば、大腰筋も緩むことができます。

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下腿部を緩ませることは、オイルトリートメントでも、安全に行うことができますよね。
(後脛骨筋の見つけ方には、ちょっとコツが要りますが、それは講座で!)


安全で、しかもオイルトリートメントの心地よさを活かした手技で、産後ママの心と体を緩ませて、整えていくことが、当スクールの産後アロマトリートメントの特徴です。

プロフィール

マタニティセラピストスクール

原田 香

Author:原田 香
イギリスにてITECの国際資格を取得。さらに知識を深めるために、St. Mary's University(ロンドン) などで補完代替療法を2年に渡り学びました。

イギリスと日本のサロン・スパ、そして産婦人科・緩和病院などの医療機関で臨床を積み重ね、病院内のメディカルサロンの立ち上げ、外資系ホテルスパや自然派コスメブランドでのマタニティトリートメント導入にも携わっています。

これまで300名を超えるセラピストの方にマタニティトリートメントをお教えしてきました。リスクマネジメントを重んじ、安全を最優先にした、効果的なケアをお伝えしています。受講後に、産婦人科で活躍する方や妊産婦向けのサロンを営む方もたくさんいます。

≫ マタニティセラピストスクール

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http://maternity-school.com/

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