飲める精油の話題

先週、マタニティアロマトリートメント講座を行いました。 愛媛、岡山、愛知、千葉、東京と、全国各地から、様々な年代とご経験と、そして熱い想いを持ったセラピスト・エステティシャンの方々がお集まりいただきました。

本当にありがとうございます。

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写真に写っていないお二人、ごめんなさい!※現在は修了証は差し上げておりません。代わりに認定資格制度があります


最近、あちこちでよく話題になる「飲める精油」。
先日の講座でも、そのお話が出てきました。

私は、その精油の実際の作業工程を見ていないので、品質の良し悪しを明言できない立場であることは理解しています。
しかし、その使用方法、販売方法に、疑問を感じています。


以前受講していただいた方から伺ったお話では、

販売会(ネットワークビジネスなので、ディストリビューター的な方が人を集めて、実演販売をおこなう)にいた、妊婦さんにも飲用を勧めていたとのこと。

また、別の方から伺った話では、ディストリビューターが助産師の方で、ベビーマッサージの際に乳児の足裏に原液塗布することを勧めていたとのこと。(助産師さんは周産期の母子のプロではありますが、アロマセラピーのプロではないことは、お母さんたちには理解できないんですよね、、、「助産師さんが言ったから大丈夫」となってしまうので、そういう場では、助産師という肩書きは使わないでいただきたいと、常々思っています。)


妊婦さんや乳幼児に精油を使用するときは、使用する「メリット」と「リスク」の両面から考えていきます。
要は、リスクよりもメリットの方が断然大きければ使う、という考え方です。

仮に、その会社の謳い文句である、「高品質だから」「食用グレードだから」という理由がまかり通ると仮定します。
それでも、妊婦に精油を飲用させるメリット、乳児に原液を塗布するメリットよりも、そのリスクの方がはるかに大きい。

そもそも、飲用、原液塗布するものが、精油である必要性は何なのでしょう。


確かに、あの会社の精油は、まったく嫌味のない本当に良い香りがします。
しかし、精油は天然のものなので、本来「嫌味」があってしかるべきなんですよね。


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産後の骨盤にアプローチ

産後アロマトリートメント講座。 遠く鹿児島からも、ご参加いただきました。
とても、光栄に思うと同時に、その責務もひしひしと感じています。

実際に、産婦人科や助産院で、すでにセラピストとして活躍している方も数名いらっしゃり、一歩踏み込んだご質問も出てきて、非常によい学びの時間となりました。(ここでお伝えしている手技は主に産後1ヶ月以降からのトリートメントです)


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受講生同士で、骨盤の状態をチェック中。 毎回、必ずと言っていいほど、「よい見本」となる骨盤の状況の方がいらっしゃいます。

講座終了時、その方々がどのように違いを感じていただけるかも、私の密かな楽しみになっています!

今回も、
「まっすぐ立った時、姿勢が楽になった!」
「翌日になっても、足がぽかぽか!」
などの感想をいただき、これを産後のママに感じていただけたら、受講者皆さんも、うれしいだろうなーと想像して、ひとり嬉しくなっていました。


この講座では、普段皆さんが施しているオイルトリートメントの手技をベースに、産後のお身体の特性を考えて、「プラスα」するとよい手技をお伝えしています。
手技自体は、とても単純で難しいものはないのですが、どの筋肉にアプローチをしていけばよいのかという「考え方」が、ちょっと難しく感じてしまうことがあるようです。(いや、実際はとてもシンプルな考え方なんですけどね!) 

これをすれば、一発でお産は進むから!を検証

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「瞑想と呼吸法でスルっと産まれるから!」
「よもぎ蒸しでお股を温めれば、一発で産まれるから!」
「分娩の前に骨盤を緩めておけば、安産になるから!」
「骨盤底筋鍛えておけば、簡単に産まれるから!」
「ジャスミンの精油は嗅いだだけで、どんどんお産が進むから!」



自然療法をやっているセラピストの方々からよく聞くお話。


分娩はそんな単純なことではないです。
残念ながら、私たちセラピストがコントロールできるような領域ではない、ということを常々感じています。

しかも、1つの要素にだけ目を向け、肝心の赤ちゃんのことが蚊帳の外になっています。

分娩には3つの要素があり、これらがすべて働くことでお産が進みます。


1)娩出力:
「陣痛」=子宮の自発的・規則的な収縮
「怒責力」=ママの息む力

2)産道:
「軟産道」=子宮頸管(子宮口)、膣などの柔らかい部分
「骨産道」=骨盤

3)胎児(+付属物):
「胎児の大きさ」
「回旋」=胎児は頭の向きを何度か変えながら産道を通る
「胎勢」=いわゆる逆子か、頭を下にしているかという体勢
「胎位」=通常、顎をひいて体が丸くなっているので、頭頂部から出てくる


これらを踏まえて、セラピストの方々がおっしゃる前述の「こうすれば安産だよ説」を検証します。


「瞑想と呼吸法でスルっと産まれるから!」
緊張と不安感から解放して、軟産道の開口を阻害する要因を減らすということ。
鎮静は陣痛時にとても大切な作用ではあり、2)産道の軟産道に対して有効だと思うのですが、これだけでスルっと産まれると考えるのは無理があります。


「よもぎ蒸しでお股を温めれば、一発で産まれるから!」
これも瞑想と一緒で、2)の軟産道へのアプローチ。
ただ、産痛が増強してきたら、加温しすぎると嘔吐する危険性も出てきます。


「分娩の前に骨盤を緩めておけば、安産になるから!」
2)産道の骨産道はわずかな緩みと可動は必要ですが、骨盤がすべてではありません。
間違っても、児頭骨盤不均衡(骨盤径が胎児に対して小さい)と言われた方に、自然分娩(経膣)バンザイ!とこだわって、骨盤を緩めてどうのこうのしようとは思わないでください。そこはセラピストの介入する分野ではありません。


「骨盤底筋鍛えておけば、簡単に産まれるから!」
子宮収縮は意識下にはないので、1)娩出の怒責力にはよいと思います。


「ジャスミンの精油は嗅いだだけで、どんどんお産が進むから!」
ジャスミンの芳香成分は、ベンジルアセテート、安息香酸ベンジル、リナロール、フィトール、セドロールなどで、どの成分がというよりもそれらが混在することで、陣痛促進作用があると言われています。

アロマセラピストとしては1)娩出力の陣痛に対してとてもよく作用します、と言いたいところですが、700件のアロマセラピー分娩の経験を積んだ今、客観的に発言するとあまり効果は期待できません。これはジャスミングランディフローラムもサンバックも一緒です。もしも、「効果があった」とすれば、たまたま偶然だったのでしょう。

アトニン(陣痛促進剤)やラミナリア桿(子宮頸管拡張する医療機器)などを使用しても、場合によっては数日かかったりするので、「精油でお産が進む!」のであれば、とうの昔に医療に取り入れられているはず。


というわけで、分娩の3つの要素のうちの、1つだけにアプローチしても、他の要素を考慮していなければ、「一発でお産は進む!」「安産になる!」と断言するのは安直すぎます。



そして、ここからがもっともお伝えしたいこと!

しかしながら、どれもムダ!と否定するものではなく、たとえプラセボ効果であったとしても、産婦の分娩に対する満足感向上につながるなら、意味はあると思っています。

私たちセラピストが分娩に介入する意義は、医療的な効果を期待することではなく、医療を受けているクライアントをサポートすることにあるからです。




ただ、3)胎児に対して。
これはもう神の領域で、セラピストどころか人間がどうのこうのできるものではないのかな、と感じています。
先日の経産婦も、分娩1期(子宮口が開いて赤ちゃんが降りてくるまで)はとてもスムーズだったのですが、2期(分娩台で赤ちゃんを娩出する時期)が非常に進まず、切開+クリステレル+吸引で出てきた子は回旋異常で臍帯が2重に巻きついていたし。。

母体をいくらサポートしても、赤ちゃんの回旋異常や胎勢が悪ければが難産になります。

プロフィール

マタニティセラピストスクール

原田 香

Author:原田 香
イギリスにてITECの国際資格を取得。さらに知識を深めるために、St. Mary's University(ロンドン) などで補完代替療法を2年に渡り学びました。

イギリスと日本のサロン・スパ、そして産婦人科・緩和病院などの医療機関で臨床を積み重ね、病院内のメディカルサロンの立ち上げ、外資系ホテルスパや自然派コスメブランドでのマタニティトリートメント導入にも携わっています。

これまで300名を超えるセラピストの方にマタニティトリートメントをお教えしてきました。リスクマネジメントを重んじ、安全を最優先にした、効果的なケアをお伝えしています。受講後に、産婦人科で活躍する方や妊産婦向けのサロンを営む方もたくさんいます。

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