妊婦への禁忌、解剖生理、寄り添い

先週、9月の「マタニティアロマトリートメント講座」を行いました。

遠くは福岡、大阪からもいらしていただき、
また再受講生もいらっしゃり、

受講生同士も、交流して刺激しあって、そして共振していくような、とてもよい時間になりました。

本当に、温かい方ばかりが集まっていただけるのが、うれしいです。

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この講座では、

(1) 禁忌の判断
マタニティトリートメントが「禁忌」の妊婦さんと、有効な妊婦さんを、セラピストが判断できるようになります。母子手帳やカウンセリングなどから得る情報のポイントを理解できます。


(2) 妊婦の解剖生理を踏まえたトリートメント
そして、筋肉や骨格、血管やリンパ管など、妊娠中の解剖生理を考えた、トリートメント手技を学ぶことができます。
妊娠すると脊柱の生理的湾曲に変化が現れます。それに伴って付随する骨格筋に緊張が見られるようになります。また、静脈血、リンパ液のうっ滞も起こりやすくなります。


(3) クライアントの気持ち、感情を理解する
また、私たちセラピストがたいせつにしたい、「寄りそう」ことの意味も考えていきます。
非医療者の立場だからこそ、できるサポートがあります。



この3つをメインに学んでいきます。

セラピスト・エステティシャンとして、すでにプロフェッシェナルな方を対象としていますので(2年以上の実務経験)、受講生同士の意見・情報交換もおこなっていただいています。


受講者の方の感想は、こちらのページにありますので、ぜひ参考にしてください。

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赤ちゃん部屋のおばけ

先週末は、名古屋の日本福祉大学で行われた、フォレンジック看護学会の学術集会に参加してまいりました。



名古屋のローカルなところにあり、ちょっとうろうろ・・
でも、キャンパスは、とても新しくキレイでした。
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「専門職と非専門職の連携」が大テーマで、「ポジティブな出産経験と暴力のない次世代」という基調講演。


「ポジティブな出産」ということで、「出産ドゥーラ*」の日本での普及検討のため、養成プログラムの体験ワークショップもあり、アメリカのドゥーラ協会であるDONA Internationalからトレーナーのデボラ女史が来日されました。

*出産ドゥーラとは、私が産婦人科でおこなっているような、おもに出産時に産婦さんをケアする非医療者のこと


↓デボラさんに合谷を指圧されながら、バランスボールに乗って、陣痛を逃している妊婦(=私)のデモンストレーション。
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そもそも、フォレンジック看護学会は、虐待や暴力などの被害者への支援を医療の面から考えていく学会。それが、なぜ、出産時に着目しているのか。


その答えは、
「赤ちゃん部屋のおばけ」にありました。


赤ちゃん部屋のおばけ
自分の乳幼児期に不幸な体験 をもつ母親は、赤ちゃんの泣き声などによって 自らの過去の不幸な体験(記憶)がフラッシュ バック(想起)し、泣いている赤ちゃんを自分 の過去に生じた葛藤的関係(対象)として重ね てみてしまう。

母親にとって幼少期が辛い経験であった場合、 不安や恐怖、苛立ちといった嫌悪感、乳児の障害や疾患など発達的な問題、流産や死産、早産などの経験から起こるどうしようもない感情が沸き起こる。つまり、そのとき生じた感情や問題は、母親にとって「お化け」として表現され ている。(引用元:目白大学 Selma Fraibergの倫理・治療アプローチ


結果、赤ちゃんをかわいがることができない。
これが世代間の虐待の連鎖、つまり、母から子へ、そのまた子へと繋がってしまう。

それを断ち切るには、まずはポジティブな出産経験が必要である、ということでした。

その他、性犯罪の被害者、パートナーからのDV被害者などにも、出産サポートが有効であるとのお話。

特にDV被害にあっている方に、産後の振り返りをおこなうと、痛かったとか辛かったなどの感想すらなく、出産時の記憶がまったくないとのこと。(常に夫に対して気が張っているので、痛みすら記憶にとどまらない・・ToT)


ドゥーラを、虐待や暴力被害という観点から考えたことがなかったのですが、同じ女性としても、ぜひともサポートしたいと願いました。

ゴリ子の正体

一昨日は、8月のマタニティアロマトリートメント講座をおこないました。

今回は、ご都合で急遽キャンセルの方がいらして、再受講者にとっては実技練習もできたラッキーな講座になりました。


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福島や、茨城、群馬からもご参加いただき、みんなとよい時間を共有することができました。


当スクールの講座はすべて、
一般の方へのトリートメント手技と知識が備わっているプロフェッショナルなセラピスト・エステティシャンを対象としています。

やはり、妊娠中の方の体と心に触れていくわけなので、アドバンスレベルが求められます。



スクールやサロンで習った「形と流れが決められたルーティーンのトリートメント」をそのままでは、個々のクライアントに対応できなくなります。


ひとつひとつの手技には、その目的が必ずあります。


例えば、肩甲骨まわりの筋肉を「こねる」手技があります。(ペトリサージュ)
「こねながら」移動していくと、多くの妊婦さんの、内側上部にトリガーポイントを探し出すことができます。

僧帽筋内にある小さな硬結で、講座ではこれを「ゴリ子」と呼んでいます。笑
トリガーポイントがあると、関連痛といって、痛みが離れた部位に出現します。

肩甲骨内側にあると、痛みを肩首まで飛ばして、肩こり、首こりとした症状が出現します。
人によっては、肩甲骨外側辺りにも出現することがあります。


そのトリガーポイントを、「こねる」手技で、和らげていきます。
過緊張の方は、そのトリガーポイントにたどり着くまでに、そのまわりの筋肉にも充分にペトリサージュを施します。(そうしないと、トリガーポイントが埋もれてしまっているからです・・)


手技の目的が理解できていれば、個々のクライアントに対応したトリートメントを行うことができ、良い結果をもたらすこともできます。

女性のQOLを考える研究会にて思ったこと

医療とセラピー(この場合のセラピーは英語のtherapyの日本語直訳の意味ではなく、日本で捉えられている概念のセラピーを指しています)の連携を目標として、今年、研究会を発足しました。


先週末、一般社団法人美人化計画主催の「女性のQOL(生活の質)を考える」研究会に参加して、改めて、その必要を感じました。

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代表であり、産婦人科クリニックさくら院長の桜井先生によると、


女性のQOLを低下させる健康問題として、排卵障害があげられます。

ひと口に排卵障害といっても、月経不順、無月経、不正出血など症状はさまざま。

月経は、排卵したことによって、不要となった子宮内膜が排出されているわけですが、自分が月経だと思っていた出血が、実は不正出血の場合もあるとのこと。(不安な方は産婦人科を受診してください!)

排卵障害の原因となる疾患の中でも難治性(医療でなかなか治すことが困難なもの)が、


・ストレス(→視床下部の血流低下)
・痩せすぎ(→生体防御反応を起こす)
・肥満(→脂肪組織からエストロゲンの過剰分泌)


ここ!!
医療ではこれらは難治性と言われること。(桜井先生)
しかし、逆に私たちには、得意とする領域ではないでしょうか。


私の目指す、「医療との連携」とは、まさにこのように、双方の得意分野、不得意分野を補うことで、全人的に、あらゆる角度から、ひとりの女性のQOLを向上していくことです。

疾患を「この精油で治す」「この手技で治す」という医療の領域に介入することではありません。



次に日本体育大学の須永美歌子教授が登壇されました。


須永先生は、月経周期が女性アスリートのパフォーマンスに与える影響について研究されている研究者で、アスリートを通して、一般女性にも十分に当てはまる貴重なデータを提供してくださいました。

月経周期によって、体重も変動する女性が多いのは、私たちセラピストは経験的に知っています。

排卵後から月経までの黄体期に体重は増加します。
実は、増加したものはすべて水分で、体脂肪の増加はないことがデータではっきりと分かりました。(須永教授)


そして、更なる研究として、月経後から排卵までの卵胞期とさきほどの黄体期で、脂肪燃焼効果がある有酸素運動(持久性運動)を相当量続けて、その血液を採取。

すると、これまでの私たちが常識と思っていたことが覆される結果が出てきました。
黄体期の方が、脂肪燃焼効果が高かったそうです!


「卵胞期には痩せやすく、黄体期には痩せにくい。ダイエットするなら月経後が最適☆」

という俗説には、驚くことに科学的な根拠はない!(須永教授)



医療と連携するためには、科学的根拠に基づいた知識が私たちにも必須です。
そして情報は日進月歩なので、日々、学んでいく姿勢が必要。


その他にも、
順天堂大学女性スポーツ研究センター長の小笠原悦子教授は、女性が男性よりも格下に扱われているスポーツ界で何十年にもわたり、地位向上にワールドワイドに尽力されている先生で、そのパッションみなぎるお話に感動しました。


広尾レディースクリニックの宗田聡先生の、女性アスリートとメンタルケアのお話は、さすが!としか言えない話術で、あっという間に終わってしまい、2次会でもお話がつきませんでした。
今度、ぜひ宗田先生の別の講座にも参加したいと思いました。

お二方とも、拝聴することができて、とてもうれしかったです。


そして、最近メディアで取り上げられている、女性用ふんどし「しゃれふん」の中川社長と、休憩時間にコーヒー片手に雑談をしていたら、ふんどしを2つもいただいてしまいました。(紐パン型なので抵抗がないですよ!)
たしかに、せめて夜寝る時ぐらいは、鼠蹊部の圧迫がない方がよいですね!



さて、国際メディカルセラピー研究会も、次回のセミナーのためにそろそろと動き出します。
一緒に学んでいきましょう!


プロフィール

マタニティセラピストスクール

原田 香

Author:原田 香
イギリスにてITECの国際資格を取得。さらに知識を深めるために、St. Mary's University(ロンドン) などで補完代替療法を2年に渡り学びました。

イギリスと日本のサロン・スパ、そして産婦人科・緩和病院などの医療機関で臨床を積み重ね、病院内のメディカルサロンの立ち上げ、外資系ホテルスパや自然派コスメブランドでのマタニティトリートメント導入にも携わっています。

これまで300名を超えるセラピストの方にマタニティトリートメントをお教えしてきました。リスクマネジメントを重んじ、安全を最優先にした、効果的なケアをお伝えしています。受講後に、産婦人科で活躍する方や妊産婦向けのサロンを営む方もたくさんいます。

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