妊婦モデル・実技復習講座

先週、8月のマテニティアロマトリートメント講座をおこないました。

遠くは、山形、宮城からもご参加いただきました。
また、サロン勤務のセラピストさん、週末セラピストさん、そして看護師セラピストの方もお二人いらっしゃいました。

2日間、14時間びっしりと学んだ後の達成感あふれる笑顔がすてきです。

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受講後、マタニティトリートメント手技をご自分の中に落とし込むことができた方は、妊婦さんを相手に実技の復習をする、

妊婦モデル実技復習講座』(フォローアップ講座)もあります。

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当スクールのトリートメント手技は、お腹にいっさい圧がかからないように構成されています。

特に腰部へのアプローチは、かなり専門的な手技となります。

まずは受講生同士、妊娠していない方で練習を重ねます。腹部への圧迫感がないか、筋肉にしっかりと圧が届いているか、確認をしていきます。

そして、技術を習得できたら、ようやく妊婦さんのお体で練習をするようにします。

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マタニティトリートメント動画

勤務している前田産婦人科アロマセラピールームのホームページを新たに作っていただいていて、その際に、マタニティトリートメントの動画も作りました。

44秒のほ〜んのさわりだけの動画ですが、よろしければご覧ください。(音は出ません)



ニセ医療とは

今回、私が紀行文を執筆させていただいた「アロマトピア・7月号(フレグランスジャーナル社)」の特集は、

「自然(補完代替)療法は、ニセ医療ですか?」
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そもそも、「自然療法」は「医療」なのか。

厚労省のこちら「医療の質」より抜粋すると、
医療とは、狭義には診療、医の行為であり、広義には『健康に関するお世話である』
とあります。

健康に関するお世話とは、言い得て妙です。
この広い意味では自然療法も医療の領域になりそうですね。


「お世話をする」なら、「正しくお世話をする」ことが重要で、「余計なお世話」や「大きなお世話」が、「ニセ医療」になるのでしょう。


私たち民間のセラピストは感性・感覚もとても大切ですが、このブログのタイトル通りに「科学的根拠」をもっと考えていく必要があります。


「デトックス」「経皮毒」「好転反応」
・・・その機序の根拠は?

体に溜まっている「老廃物」とは?


特に、妊娠・出産・不妊の界隈には、大きく余計なお世話がいっぱいです。

『子宮には怒りのエネルギーが溜まっていく』
『ママがイライラしたらお腹の中の居心地が悪い』

「だからいつもニコニコしてくださいね♪♪」なんて言う、やさしさの脅しは、不安感を募らせるばかり。


好き好んで怒り、イライラしている人はいないわけで、そんなクライアントをすべて包み込める力が、「寄り添う心」であり、そのためエビデンスに基づく知識と技術が、私たちセラピストには必要なのです。

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分娩直後のフットトリートメントは、ママもセラピストも至福のひととき。
これも、血栓のリスク、高血圧症の方への対応、その他想定できる危険な症状などの知識を踏まえた上で行っているので、至福なのだと思います。

産後、尾骨が痛い!

先日、8月の産後アロマトリートメント講座をおこないました。

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みなさん、臀筋、梨状筋の緊張を和らげて、股関節のストレッチをしているところ。
オイルトリートメントの途中に、タオルの上からのボディも入れていきます。


こちらの動画をみてください。



一般的な分娩台の上での仰臥位分娩の場合、赤ちゃんが旋回しながら降りてくるので、尾骨が「しなる」方もいます。

産後に、「尾骨が痛い」という訴えがあるのも、この動画を見れば納得ですよね。


ホームケアのアドバイスとしては、姿勢を正すこと。坐骨で座ること。

そしてトリートメント手技としては、尾骨と坐骨の間をほぐしていきます。ただ、場所が場所だけに、デリケートゾーンに気をつけていきます。


ただし、強くて鋭い痛みがあるときは、必ず医療機関の受診を勧めてください!



出産のときのアロマセラピー

Robert Tisserand著「精油の安全性ガイド2014版」

ロバート・ティスランド氏が膨大な文献・論文を調べてまとめ上げた、「エビデンスに基づく精油ガイド」です。参考文献一覧だけで、80ページ近くあることからも、この本の奥深さがわかります。

初版が1995年、日本語訳が翌年にフレグランスジャーナル社から出版されました。
そして、2014年に、改訂版というより新たな情報が満載のほぼ新刊(と言っていいぐらい)が出版されました。

残念ながら日本語版はまだ出版されておらず、私はイギリスで購入して持って帰ってきました。かなーり重かったです。

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「マタニティアロマトリートメント講座」での精油学では、この本のデータをベースにして、私のこれまでの臨床経験より、日本人妊婦に合わせたお話をしています。


この本の中で、出産(Childbirth)について書かれた章があります。IMG_1211.jpg 
よく、セラピストの方から、「出産のときはどの精油がいいですか?」という質問をいただきます。

とても答えに困る質問のひとつです。
何をもって「いい精油」なのか、出産時の精油使用に対して期待していること(分娩を進めたい、痛みを緩和したい、不安感をなくしたい、多幸感を得たい、思い出に残したい・・)はそれぞれ違うし、そもそも精油の選択にはその方のパーソナルヒストリーも重要になるからです。


ロバート・ティスランド氏は、その点を「子宮の収縮」という目的で書かれています。

To give some specifics, in ex vivo rat study, sweet fennel oil showed a dose-dependent reduction in the intensity of uterine contractions induced by either oxytocin or prostaglandin E2.
ex vivoでのラットにおける研究で、スイートフェンネルは、オキシトシン、プロスタグランディンいずれの子宮収縮剤の投与依存を減少させることを示した。
《用語説明》
ex vivo: 体外での研究(cf. in vivo: 試験管内での研究)

ただし、人間の妊婦さんにおいて、スイートフェンネルが陣痛を促進させるかはわかっていない。
However we know nothing about the clinical relevance of these findings to human childbirth.
Since there are no essential oils that have been found to stimulate uterine contractions, ・・(略)
しかし、我々はこの結果がヒトの妊婦にも臨床的に関連あるかはわかっていない。子宮収縮を刺激する精油は見つかっていないので・・
付け加えると、フェンネルはトランスアネトールを多く含有するので、妊娠中は禁忌の精油です。


また、イギリス・オックスフォード大学付属の John Radcliffe Hospital での8年間に及ぶ出産時のアロマセラピーの観察、研究についても書かれていました。

《使用した精油》
カモミールモロッコ、クラリセージ、ユーカリ、フランキンセンス、ジャスミンabs、ラベンダー、レモン、マンダリン、ペパーミント、ローズabs
※ケモタイプ、使用方法、濃度などは不明

どの精油がよかったという比較ではなく、上記の精油を使用した群と、使用しなかった群との比較で、使用した群では、不安感、痛み、頭痛、吐き気などが軽減されて、陣痛増強するという、分析データが得られたとのこと。


そして、この章の締めの言葉としては、
These studies suggest that the benefits of aromatherapy during labor outweigh risk, at least when administered under the supervision of a qualified health practitioner.
これらの研究により、医療の管理下で出産時に精油を使用すれば、リスクよりもベネフィット(利益)が勝る
とまとめられています。


これは、私の臨床経験上からの見解ですが、出産時の精油は産婦の嗜好で選択するのが一番だと思います。私たちが産婦人科で出産時に使用している精油については、こちらの小論で書かせていただいています。

妊娠中、おヘソが右にズレる!

妊娠中、体の真ん中にあるおヘソが「右」に、ずれてくる妊婦さんがいます。

「私の体、歪んでいる!」と、心配する方もいますが、むしろ自然なこと。


腹腔内の左にある、「S状結腸」に押されて、大きくなった子宮は右寄りになっていきます。(子宮の右軸旋回)
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それにつられて皮膚も右にずれるので、おヘソの位置が曲がって見えたり、正中線もずれてきます。
体や骨盤の歪みが原因ではないので、心配いりません。


ついで・・というよりこちらの方がセラピストとしては重要ですが、深部静脈血栓症は「左下肢」に起こりやすいです。

それは、腹腔内にある、「左総腸骨静脈」を「右総腸骨動脈」が圧迫するためです。
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妊娠・産後は、非妊娠時の5−10倍、血栓ができやすいと言われています。特に肥満、高齢、切迫早産などの長期安静、そして帝王切開後は、リスクが上がります。


子宮が大きくなることで、押されたりつぶされたり、お腹の中は満員電車状態になるんですね。

プロフィール

マタニティセラピストスクール

原田 香

Author:原田 香
イギリスにてITECの国際資格を取得。さらに知識を深めるために、St. Mary's University(ロンドン) などで補完代替療法を2年に渡り学びました。

イギリスと日本のサロン・スパ、そして産婦人科・緩和病院などの医療機関で臨床を積み重ね、病院内のメディカルサロンの立ち上げ、外資系ホテルスパや自然派コスメブランドでのマタニティトリートメント導入にも携わっています。

これまで300名を超えるセラピストの方にマタニティトリートメントをお教えしてきました。リスクマネジメントを重んじ、安全を最優先にした、効果的なケアをお伝えしています。受講後に、産婦人科で活躍する方や妊産婦向けのサロンを営む方もたくさんいます。

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